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運転資金の目安は何か月分か――インドアゴルフの立ち上がり

運転資金は「3か月分」「6か月分」と月数で語られます。けれど、決めるべきことは2つあります。何か月分を持つかと、その1か月分に何を入れるかです。当社の直営店で実際に起きた立ち上がりをもとに、順に整理します。

公開日:2026.10.11 更新日:2026.10.21

開業・FC加盟のご相談は こちら(初回無料)。開業資金の全体像は インドアゴルフ開業ガイド にまとめています。

01

月数は、黒字になるまでの月数から決める

会員制のインドアゴルフは、売上が月ごとに積み上がる業態です。開業した月の会員は少なく、月を追って増えていきます。一方で、家賃などの固定費は、会員が1人もいない月から満額で出ていきます。

この構造から、運転資金の役割は1つに絞られます。会費収入が固定費に追いつくまでの、毎月の不足額を埋めることです。したがって必要な月数は、業界の慣習ではなく、ご自身の店が黒字になるまでに何か月かかるかで決まります。

当社は、目安として固定費の3〜6か月分をご案内しています。この幅のどこを取るかを、次の節の実例で考えます。

02

直営店の実例――黒字化まで4か月

当社の直営店(TERVEX GOLF 東神田店・2打席)の立ち上がりは、次のとおりでした。

時期起きたこと
開業2026年3月(2打席・24時間営業)
4か月目単月で黒字化(損益分岐は会員約30名)
5か月目営業利益率が45%を超えた(直営店1店舗の実績で、保証するものではありません)

直営店の固定費は月63万円です。3か月分は約190万円、6か月分は約380万円になります。

直営店の固定費(月63万円)で見た運転資金
直営店は、黒字化まで4か月かかりました。3か月分の月数を超え、6か月分の範囲に収まっています。
3か月分(黒字化までの4か月に届かない)
約190万円
6か月分(黒字化までの4か月を含む)
約380万円

黒字化まで4か月かかった直営店の例では、3か月分では足りず、6か月分の範囲に収まります。実際には会員が少しずつ増えるため、4か月分の固定費がそのまま不足するわけではありません。それでも、開業直後の数か月は収入が固定費に届かない期間があることを考えると、3か月分は余裕のない計画です。

直営店は、半径1kmに競合が8店舗ある立地で、通行量と視認性を条件に物件を選び、広告費をほぼかけずに4か月で黒字化しました。それでも、立地が良くても、開業した直後の数か月は収入が固定費に届かない、というのが実際に起きたことです。開業時の会員数で毎月の不足額がどう変わるかは、開業前集客の記事 に書いています。

ご自身の固定費で、必要な運転資金を計算します

家賃・打席数・運営の体制が分かれば、月の固定費と、黒字化までに用意しておく運転資金の目安をお返しします。物件が決まる前の段階でも構いません。

収支シミュレーター14本部の比較表

03

「1か月分」に、何を入れるか

家賃・光熱費などの固定費に加えて、人件費・広告費・借入の返済・ご自身の生活費まで入れます。月数と同じくらい結果を左右するのが、1か月分の中身です。直営店の「63万円」は、次の費目だけを足した金額です。

費目直営店の63万円ご自身の計算では
家賃・光熱費入っている(50万円)物件の家賃に差し替える
レッスン委託費入っている(10万円)コーチを配置する日数に合わせる
雑費入っている(3万円)—
体験対応・清掃の人件費入っていない(代表が担当)人に任せるなら加える。当社の加盟店モデルでは月10万円
広告費入っていない(ほぼ0円)開業前後に告知するなら加える。加盟店モデルでは月5万円
借入の返済入っていない毎月の返済額を加える
ご自身の報酬・生活費入っていない店の利益から生活費を出す計画なら、別に確保する
ロイヤリティ(FC加盟の場合)—当社は売上の8%。2打席の下限は月8万円で、開業後3か月は下限が半額

直営店の63万円をそのまま当てはめると、多くの場合は足りません。返済と生活費を入れずに計算した「3か月分」は、実際には3か月もちません。月数を議論する前に、1か月分をご自身の支出でそろえてください。

なお、当社のFCでは、立ち上がりの負担を軽くするために、開業後3か月間はロイヤリティの下限額を半額にしています(金額は税別)。固定費の費目ごとの幅は 損益分岐点の記事 に載せています。

04

開業前に出ていく家賃は、運転資金とは別に数える

運転資金は、開業した後の不足額を埋めるための資金です。見落としやすいのは、開業する前から家賃が発生することです。

物件を契約してから開業するまでには、設計・工事・機器の設置の期間があります。当社のFCでは、物件が決まっている場合で、開業までおおむね3〜5か月が目安です。用途変更の確認申請が必要な物件では、設計・申請・審査の期間が加わります(用途変更の記事)。この期間の家賃を運転資金から出してしまうと、開業した時点で、すでに数か月分が減っています。

開業前の家賃は、物件取得費や工事費と同じ「開業までに払う費用」の側に入れ、運転資金は開業日の時点で満額が残っている状態にしてください。当社FCの開業費用の目安(2打席で1,500万〜2,600万円、3打席で2,000万〜3,700万円、4打席で2,500万〜4,400万円、5打席で3,000万〜5,200万円。税別・機器込み)にも、運転資金は含めていません。開業までの費用と毎月の費用の全体は インドアゴルフFCの費用 に載せています。

05

運転資金を、どこから用意するか

自己資金から先に取り分けるか、日本政策金融公庫などの融資で借りるかのどちらかです。補助金は原則として後払いのため、運転資金の代わりにはなりません。

複数の打席が並ぶ、ラウンジのあるインドアゴルフ施設
複数の打席が並ぶ、ラウンジのあるインドアゴルフ施設(イメージ・写真:Trackman)
  • 自己資金から取り分ける:自己資金を全額、内装と機器に使ってしまうと、開業後の不足額を埋める資金が残りません。先に運転資金の分を取り分け、残りを開業費用に充てる順番にします(自己資金はいくら必要か)
  • 融資で借りる:日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、設備資金だけでなく運転資金も対象で、運転資金の返済期間は10年以内(うち据置期間5年以内)と定められています。実際の金額・期間・据置の有無は審査で決まります

補助金は原則として後払いのため、運転資金の代わりにはなりません(開業資金はいくら必要か)。

もう1つ、使い方の順番があります。運転資金が減ってきたときに、最初に広告を止めると、会員が増えず、不足額がさらに続きます。削る順番まで含めて、開業前に決めておくことをおすすめします。物件・機器・資金を確かめる順番は インドアゴルフ開業ガイド にまとめています。

固定費の内訳と、立ち上がりの実際をお伝えします

直営店で実際に発生している費目と、開業から黒字化までの経過を、資料とご相談でそのままお伝えします。計画の月数を決める材料としてお使いください。

TERVEXのFC条件と収支モデル投資回収期間はどのくらいか

06

運転資金が足りなくなる3つの場面

運転資金が足りなくなる場面は、時期で3つに分かれます。原因も、打てる手も、場面ごとに違います。

場面時期何が起きるか先に打てる手
1開業の時点工事の追加と、開業前の家賃で、運転資金として取り分けた分がすでに減っている見積りの範囲をそろえる。賃料がいつから発生するかを契約前に確かめる
2開業から2〜3か月会費がほとんど入らないまま、固定費が満額で出ていく損益分岐点を低く設計する。会費が入らない月が続く前提で、持つ金額を決める
3黒字が見えた頃返済の開始などで、毎月の支出が一段増える支出が増える月を、資金繰り表に先に書き込む

見落としやすいのは3つ目です。会員が増えて月の収支が合いはじめた頃に、開業の時点では払っていなかった支出が始まります。借入の元金の返済は、据置期間が終わった月から始まります(日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、据置期間を5年以内で設定できます)。元金の返済は経費ではないため、損益の計算では黒字でも、返済を引くと手元が減る月があり得ます。

FCに加盟する場合は、ロイヤリティの下限額の猶予が終わる月も同じです。当社は開業後3か月、下限額を半額にしています。4か月目から、2打席は月4万円が8万円に、3打席は5.5万円が11万円に、4打席は7万円が14万円に、5打席以上は8.5万円が17万円になります(税別)。補助金は原則として後払いなので、資金計画では0円として数えます。

備えは、開業の2か月前から開業後6か月までを月ごとに並べ、月末の残高を書いていくことです。賃料が発生する月、会費が入りはじめる月とその人数、支出が増える月の3つを書き込みます。残高が最も減る月の金額がマイナスになるなら、開業前に手を打てます。表の作り方は資金計画表の作り方に書きました。

FAQ

よくあるご質問

Q運転資金は、何か月分あれば足りますか。
固定費の3〜6か月分が目安です。月数は、黒字になるまでに何か月かかるかで決めます。当社の直営店(2打席・固定費月63万円)は黒字化まで4か月かかりました。3か月分は約190万円、6か月分は約380万円です。立ち上がりが遅れた場合に備えるなら、6か月分に近い側をおすすめします。
Q運転資金に、自分の生活費は含めますか。
店の固定費とは別に確保してください。当社の直営店の固定費63万円には、代表者の報酬も借入の返済も入っていません。店の利益から生活費を出す計画の場合、黒字になるまでの生活費を別に持っていないと、運転資金がその分だけ早く減ります。
Q運転資金は、融資で借りられますか。
日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、設備資金と運転資金の両方が対象です。運転資金の返済期間は10年以内(うち据置期間5年以内)と定められています。実際に借りられる金額と条件は審査で決まるため、事業計画書に、黒字化までの月数と毎月の不足額を書いて説明します。
Q黒字になるまで、何か月かかりますか。
立地・固定費・集客の進み方で変わります。当社の直営店は、半径1kmに競合が8店舗ある立地で、開業から4か月で単月黒字になりました。1店舗の実績で、同じ結果を保証するものではありません。
QFCに加盟すると、運転資金は少なくて済みますか。
一概には言えません。ロイヤリティが固定費に加わるため、1か月分の金額は増えます。当社の場合は、開業後3か月間、ロイヤリティの下限額を半額にしています(2打席なら月8万円が4万円。税別)。なお、当社の加盟店はまだ無く、加盟店の立ち上がりの実績はお示しできません。お見せできるのは直営店1店の数字です。
Q黒字なのに資金が減るのは、なぜですか。
借入の元金の返済は、経費に入らないためです。損益の計算では利益が出ていても、そこから元金の返済を引くと、手元の残高が減る月があります。据置期間が終わった月、FC加盟ならロイヤリティの猶予が終わった月に起きやすくなります。
Sources

この記事の根拠

直営店の数字は、TERVEX GOLF 東神田店(2打席・2026年3月開業)の実績です。固定費63万円は、家賃・光熱費50万円、レッスン委託費10万円、雑費3万円の合計で、借入の返済・代表者の報酬は含みません。運転資金の金額は、この固定費の3か月分(約190万円)と6か月分(約380万円)です。当社FCの条件は2026年10月時点のものです(金額は税別)。融資制度は 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」(2026年10月11日確認)によります。制度の内容は改定されることがあるため、申込みの前に最新の案内をご確認ください。この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の税務上・法律上の助言ではありません。

運転資金は、ご自身の固定費で計算してください。

家賃・打席数・運営の体制から、月の固定費と必要な運転資金の目安をお返しします。初回のご相談は無料です。

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