
物件の条件からのご相談は こちら(初回無料)。内装・防音を含む施工費用の見方は インドアゴルフ開業ガイド にまとめています。
目標になるのは、隣地との境界で測る音量
店から出る音には、自治体の条例で基準が定められています。東京都の場合は「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(環境確保条例)の第136条で、何人も、別表第十三の規制基準を超える騒音や振動などを発生させてはならない、と定められています。
基準は、音源のある敷地と隣地との境界線で測った音量です。用途地域によって4つの区域に分かれ、時間帯ごとに数字が変わります。
| 区域(主な用途地域) | 午前6時〜8時 | 日中 | 夜 | 午後11時〜翌午前6時 |
|---|---|---|---|---|
| 第一種区域(第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域など) | 40 | 45(午前8時〜午後7時) | 40(午後7時〜11時) | 40 |
| 第二種区域(中高層住居専用地域、住居地域、準住居地域など) | 45 | 50(午前8時〜午後7時) | 45(午後7時〜11時) | 45 |
| 第三種区域(近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域など) | 55 | 60(午前8時〜午後8時) | 55(午後8時〜11時) | 50 |
| 第四種区域(商業地域のうち知事が指定する地域) | 60 | 70(午前8時〜午後8時) | 60(午後8時〜11時) | 55 |
単位はデシベルです。出典は東京都環境局「日常生活の騒音・振動の規制」です(2026年10月11日確認)。第二種〜第四種区域では、学校・保育所・病院・診療所・図書館・老人ホーム・認定こども園の敷地の周囲おおむね50mの区域内は、この数字から5デシベルを引いた値が基準になります。
東京都以外では、数字と区域の分け方が自治体ごとに違います。出店する場所の自治体のページで確かめてください。
「ゴルフ練習場営業」は、深夜の音について条例が名指しする営業の1つ
東京都の条例には、上の表とは別に、深夜の営業に限った決まりがあります(第132条)。対象になる営業が別表第十に並んでおり、飲食店営業、ボーリング場営業、バッティングセンター営業、スイミングプール営業などとともに、「ゴルフ練習場営業」が挙げられています。
内容は次のとおりです。出典は東京都環境局「深夜の営業等の制限」です(2026年10月11日確認)。
| 項目 | 条例の内容 |
|---|---|
| 時間帯 | 午後11時から翌日午前6時まで |
| 対象の区域 | 住居系の用途地域(第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域)と、その周囲20m以内の区域 |
| 求められること | 規制基準を超える騒音を、事業所の敷地内で発生させない |
| 規制基準(敷地と隣地の境界線での音量) | 区域の種別ごとに40・45・50・55デシベル。近隣商業地域・商業地域・準工業地域は原則50デシベル |
読み取れることが2つあります。1つは、物件そのものが商業地域にあっても、住居系の地域との境から20m以内なら、この決まりの対象区域に入ることです。もう1つは、低層住居専用地域などに接する商業地域では、その周囲30m以内が1段厳しい区域として扱われることです。物件の用途地域だけでなく、隣がどの地域かまで見る必要があります。
屋内のシミュレーションゴルフが、条例の「ゴルフ練習場営業」に当たるかどうかは、東京都のページからは判断できませんでした。当たらない場合でも、前の節の基準は適用されます。どちらの基準で見られるのかを、物件を契約する前に、出店する区市町村の環境担当の窓口に確認してください。
24時間営業なら、深夜の数字が設計の基準になる
どちらの表でも、最も厳しいのは午後11時から翌午前6時です。前の節の表では、商業地域(第三種区域)でも、日中の60デシベルに対して深夜は50デシベルで、10デシベル下がります。
インドアゴルフは、深夜も営業する店が多い業態です。当社が2026年9月に138店舗を調べたところ、24時間営業の店が97%でした。
24時間営業を前提にするなら、防音の目標は日中の数字ではなく、深夜の数字で決めることになります。設計者に見積りを頼むときは、営業する時間帯と、その時間帯の基準を先に伝えてください。
物件の場所と営業時間から、確かめる点を整理します
候補の物件の住所・階・上下階の用途が分かれば、契約の前に確かめる項目をお返しします。
条例の数字に出てこない、同じ建物の中の音
条例の基準は、敷地の境界で測る音量です。東京都環境局のページには、この基準値は「集合住宅など同一建物内部における各住戸間の騒音・振動」には適用しないと書かれています。ビルの1階の店と上の階の住戸のように、同じ建物の中で伝わる音がどう扱われるかは、このページからは読み取れません。
同じ建物の中で何が許されるかを決めるのは、建物の管理規約と、貸主との賃貸借契約です。当社は直営店の物件を探したとき、建物の決まりで24時間営業ができない物件を見送りました。防音工事をどれだけ行っても、建物の決まりで深夜に使えなければ、24時間営業はできません。工事の前に、契約で決まることがあります。
なお、東京都の条例には、騒音とは別に振動の基準もあります。近隣商業地域・商業地域などでは、午前8時〜午後8時が65デシベル、午後8時〜翌午前8時が60デシベルです(敷地の境界線での地盤の振動の大きさ)。見積りでは、防音と防振を分けて考えてください。
防音工事の費用は、内装と分けて見積もってもらう
防音・防振工事だけの相場を示した、信頼できる公開情報は見当たりませんでした。公開されている金額の多くは、内装・電気・防音をまとめた数字です。

当社がフランチャイズの開業費用で使っている目安は、2打席・都内で内装・防音工事が900万〜1,500万円です(税別。機器の設置・配線・天井補強は別に60万〜200万円)。物件の状態と、どこまで音を抑えるかで変わります。
そこで当社は、見積りを比べる段階で、防音・防振を内装とは別の行で出してもらうことにしています。「内装一式」にまとめられると、会社ごとの金額の差が、防音の水準の差なのか、仕上げの差なのかが分からなくなります。同業の居抜き物件で防音の工事が残っている場合も、いまの基準に足りているかは別に確かめてください(居抜きとスケルトンの比較)。
物件を契約する前に、誰に何を確かめるか
用途地域と周囲の学校・病院などは自治体の窓口と地図で、建物を24時間使えるかと上下階の用途は貸主・管理会社で、防音工事の目標と金額は設計者・施工会社で確かめます。契約したあとに防音が足りないと分かると、工事を追加するか、営業時間を短くするかの判断を迫られます。契約の前に、次の順で確かめてください。
| 確かめること | 誰に | なぜ |
|---|---|---|
| 物件の用途地域と、隣接する地域の用途地域 | 市区町村の都市計画の窓口・公開している地図 | 適用される区域が決まる。住居系の地域から20m以内かも見る |
| 周囲おおむね50mに学校・保育所・病院などがあるか | 地図と現地 | 東京都では基準が5デシベル下がる |
| 出店する自治体の騒音・振動の基準と、深夜の営業の決まりの対象になるか | 自治体の環境担当の窓口 | 自治体ごとに違う。屋内のシミュレーションゴルフの扱いも確かめる |
| 上下階・隣の区画の用途(住居か、事務所か、店舗か) | 貸主・管理会社 | 同じ建物の中の音は、敷地の境界の数字だけでは決まらない |
| 建物として24時間使えるか。管理規約に営業時間・音の決まりがあるか | 貸主・管理会社 | 工事では解決できない。当社はここで見送った物件がある |
| 業態(打球の音が出ること)と営業時間を伝えたうえでの承諾 | 貸主 | あとから「聞いていない」とならないよう、書面で残す |
| 深夜の基準を目標にした、防音・防振の工事の内容と金額 | 設計者・施工会社 | 目標の数字が無いと、見積り同士を比べられない |
工事が終わったら、営業を始める前に、境界と隣の区画で実際に音を測ってもらうことをおすすめします。測定の方法には決まりがあるため、設計者か、測定を行う専門の会社に依頼してください。
内装と防音を分けた見積りの見方を、一緒に確認します
当社のフランチャイズでは、物件選定とレイアウトの監修を加盟金に含めています。見積りのどの行が防音・防振にあたるか、機器の設置がどちらに入っているかを、契約の前に確認します。
よくあるご質問
Qインドアゴルフの防音工事は、いくらかかりますか。
Qマンションやビルの1階で、上に住居がある物件でも開業できますか。
Q商業地域の物件なら、防音工事は要りませんか。
Q24時間営業にすると、防音の条件は厳しくなりますか。
関連するページ
この記事の根拠
音量の基準は、東京都環境局「日常生活の騒音・振動の規制」(条例第136条・別表第十三)と、「深夜の営業等の制限」(条例第132条・別表第十〜第十二)で確認しました(2026年10月11日確認)。条例は改正されることがあるため、最新の数字は自治体のページでご確認ください。
24時間営業の割合は、当社が2026年9月に138店舗を調べた結果です。内装・防音工事の目安は、当社フランチャイズの2026年10月時点の数字です(税別)。物件探しの経緯は、当社の直営店(TERVEX GOLF 東神田店)の経験にもとづいています。この記事は一般的な情報で、個別の物件についての法律上の助言ではありません。
契約の前に、物件の条件を一緒に確かめます。
住所・階・上下階の用途・営業時間が分かれば、確かめる項目をお返しします。初回相談は無料です。