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居抜きで買う前に確認する、原状回復とリース残債

居抜き取得で最も高くつく2つの見落としについて、公開されている実務情報から整理します。価格交渉より先に確認すべき項目です。

公開日:2026.08.21
01

「居抜きで入ったから、居抜きで出られる」は成り立たない

居抜き取得で最も多い誤解がこれです。9割以上の賃貸借契約に原状回復義務があるとされ、居抜きで入った場合でも、退店時はスケルトン戻しが原則です。

費用の目安は、現状回復で50万〜200万円、スケルトン戻しで300万〜700万円とされています。インドアゴルフは防音・天井・電気工事が入るぶん、この幅の上側に寄る可能性があります。

さらに厄介なのが、繰り返し売買された店舗です。何度も居抜きで受け渡された結果、そもそも「原状」が何だったのか分からなくなり、退店時にトラブルになる例が指摘されています。

予防策は書面です。重要事項説明書と施工時の図面で「原状」を記録し、原状回復義務の引き継ぎ範囲を契約書に明記しておくこと。ここを省いた案件は、価格が安くても見送る判断があってよいと考えます。

02

シミュレーターがリース物件だった場合

もう一つがリース残債です。リース品・レンタル品の所有権はリース会社にあり、前借主が勝手に譲渡することはできません。買取を依頼するか、契約を引き継げるかを打診する必要があります。

インドアゴルフでは、この論点の金額が大きくなります。弾道測定器は1台200万〜500万円という価格帯ですので、リース残債の扱いを確認しないまま譲渡価格を決めると、後から数百万円が乗ることになります。

確認の順番としては、譲渡対象の設備を一覧にし、設備ごとに「所有者は誰か」「リースか買取か」「残債はいくらか」を埋めていくのが確実です。空調のように、前借主が設置したものか入居時から在ったものかで所有者が変わる設備もあります。

03

造作譲渡契約書に入れるべき8項目

公開されている実務情報では、造作譲渡契約書に次の8項目を入れるべきとされています。

  • ① 貸主の承諾の有無
  • ② 譲渡造作物のリスト
  • ③ 譲渡料
  • ④ 支払方法・期日・遅延時の対処
  • ⑤ 引渡期日
  • ⑥ 契約不適合責任
  • ⑦ 原状回復義務の所在と範囲
  • ⑧ 解除条件と違約金

特に①は必須です。造作譲渡には貸主の書面承諾が要り、承諾なく進めると賃貸借契約自体が解除されるリスクがあるとされています。承諾料の目安は、譲渡代金の10%または家賃の2〜3ヶ月分です。

04

造作譲渡料は、設備の積算では決まらない

譲渡料の考え方も押さえておく必要があります。設備の残存価値を積み上げて決まるのではなく、その店舗で営業したときに得られる価値で総合評価されるとされています。立地評価は「1階>2階>地下1階>その他階」が業界標準で、空中階・地下は低くなります。

業態別の相場としては、20〜30坪の中規模で、カフェ50万〜200万円、居酒屋100万〜300万円、美容室100万〜300万円という数字が示されています。ゴルフスタジオの造作譲渡料について公表された相場は見当たりませんでした。

実務上は、シミュレーターの残存価値と、防音・天井高・電源といった他業態では作れない造作が価格の核になると考えられますが、これは公開相場の裏づけがない当社の見立てです。

05

減価償却の扱い

譲り受けた造作の減価償却には、中古資産の耐用年数計算式「(法定耐用年数−経過年数)+(経過年数×0.2)」を用いる例が示されています。適用の可否と具体的な計算は、必ず税理士にご確認ください。

Sources

出典

本ページに掲載した数値は、以下の公開情報を参照しています。金額・条件は各社の改定により変わりますので、ご検討の際は必ず一次情報をご確認ください。

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