倒産件数の推移
東京商工リサーチが2025年11月に公表したデータによると、ゴルフ練習場の倒産件数は次のように推移しています。
| 年 | 件数 |
|---|---|
| 2021年 | 1件 |
| 2022年 | 0件 |
| 2023年 | 1件 |
| 2024年 | 2件 |
| 2025年1〜10月 | 6件(過去20年で年間最多を更新) |
6件のうち負債1億円未満が4件(66.6%)、そして6件すべてが「販売不振」です。資金繰りや投資の失敗ではなく、単純に客が集まらなかったということです。
東京商工リサーチは「インドア施設は新規出店コストが軽いため街中に乱立し、屋外の打ちっぱなしとの過当競争が激化している」と分析しています。
市場は伸びていない。増えているのは施設数だけ
この分析を裏づけるデータがあります。施設数と市場規模を並べると、構図がはっきりします。
| 指標 | 2019年 | 2023年 |
|---|---|---|
| 屋外練習場 | 2,463施設 | 2,322施設 |
| インドア練習場 | 1,045施設 | 1,518施設 |
| 練習場市場規模 | 1,250億円 | 1,230億円 |
| 来場者数 | 550万人 | 510万人 |
それでもインドアに勝ち目がある理由
悲観的な数字だけではありません。同じ調査から、インドア型の優位性を示すデータも出ています。
- インドアの打席数は全体の6.5%に過ぎないが、利用者の19.7%を占める
- 利用者の年齢構成は20代32.2%・30代23.8%で、合計56%が30代以下
打席あたりの回転率が屋外より高く、若い層が集中しているということです。屋外練習場が抱える「広い土地・高い固定費・高齢化した客層」という構造から自由である以上、事業として成立する余地は残っています。
問題は「インドアだから勝てる」時期が終わったことです。
同じブランドでも、立地で結果が正反対になる
あるFC本部が公開している自社2店舗の比較が、この点を端的に示しています。
| A店 | B店 | |
|---|---|---|
| 実効商圏(20〜69歳) | 約5.8万人 | 約15万人 |
| 開業初月の会員数 | 約30名 | 約150名 |
| 黒字化まで | 約2年 | 初年度から黒字 |
同じブランド、同じ運営手法でも、商圏人口が2.6倍違うと開業初月の会員数が5倍違い、黒字化までの時間がまったく変わります。A店の初期投資は5,000万円超と公表されています。
つまりブランドや設備より先に、商圏が結果を決めています。加盟先を比較する前に、その物件でどれだけの人口が取れるのかを確認するほうが、意思決定への影響は大きいということです。
この構図を、どう読むか
出店が増え、倒産も増える。これは供給過剰の局面に入ったということですが、見方を変えると設備の整った店舗が市場に出てくる局面でもあります。
実際、M&Aプラットフォームには居抜きのインドアゴルフ案件が継続的に出ています。ゼロから作るより、稼働中の設備と会員基盤を引き継ぐほうが合理的なケースは増えていくと考えられます。
当社が開業支援と店舗M&Aを同じ会社の中に置いているのは、この2つが同じ判断の表と裏だからです。
出典
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